甘い香り【Ⅱ】

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「ふーん…面白そうだな」 河島がニッと口の端を上げて笑った。 「合コンか~…ミチルにバレたら嫌だかんな~」 武ちゃんがちょっと考えている。ミチルとは、武ちゃんの幼なじみで好きな子だ。 「フフン!あの話題の『黙っていたら美人』の橋本を呼ぶつもりだぞ?」 「え!?マジ!?」 「それは楽しみだね」 「どんだけ見た目と喋りにギャップがあるのかな~」 智紀の発言に、武ちゃんと河島が食いついてきた。橋本はサークル以外でも話題になっているから、興味があるんだろう。 「それに、難攻不落のイケメンにがっつかれても堕ちないっていう、愛しの君も会ってみたいし」 「そだね!崎村に迫られて、陥落しないなんて」 「そういえばそうだな。 一見、普通の可愛い感じの子だけど、ふーみん凄ぇなぁ」 皆、彼女に変な感心をしている。 彼女が、俺の顔だけで、簡単に靡くような子なら、俺はここまで強く求めなかったかもしれないな… やっぱり彼女は特別だ。 ・
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