甘い香り【Ⅱ】

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「智紀……橋本に絶対、文香を連れてくるように言って」 俺は固い意志で、静かに言った。 「え?どした? 偉く乗り気になったな」 「…手段を選んでなんかいられないんだよ」 俺が苦笑いしながら、そう呟くと、三人が目を丸くして俺を見た。 「…本気なんだな」 「フッ…本気だよ。 俺が見つけたんだ。絶対、誰にも渡したくないからね」 俺のこの本気の発言で、皆が俺に協力してくれることになった。 そして、智紀が橋本に誘いのメールを出し、彼女達と合コンをすることが決定した。 俺は、さっきの彼女の振り向いた最後の綺麗な姿を思い浮かべる。 穢れを知らないような儚げな文香 俺は、どんなことしても お前が欲しい どうか、俺のものになって 文香… ・
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