甘い香り【Ⅲ】

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その後、女性陣の自己紹介になり、彼女の番になると、俺のことで冷やかされた。 この合コン自体、俺達がきっかけだから、仕方がない。 でも、気心が知れた同士だからか、俺と彼女を見守ってくれる気遣いがあり、俺は有り難かった。 すると、女性陣の一人(文香以外は興味ないから名前を覚えていない)が、俺に話し掛けてきた。 「崎村さん、ぶっちゃけて聞いてもいいですか? 文香のどんな所に惹かれたんですか?」 惹かれたところねぇ… たくさんあるんだけど、敢えて言うなら… 「ん~?第一印象?」 「じゃ、新歓コンパの時だ? 文香、崎村さんが真っ正面で、初めてだし、テンパってたよね~!あはは!」 思い出して、大笑いする橋本。 確かに、アタフタしていた文香も可愛くて、惹かれたけど… 「うーん。正確には、席につく前の印象なんだけどね…フフッ」 「え?席に着く前に会いました? あたし、何かしました?」 文香が首を傾げて尋ねてくる。 そっか… 文香は俺が受付してたの、気付いてないのか… 「これ以上は秘密」 俺はわざと教えなかった。 ・
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