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戻って来た彼女は、俺の予想通りの顔をして、立ち尽くした。
「…コンパらしいコンパだと、男女交互に席をシャッフルだって」
ポカンと口を開けている彼女に、ポンポンと隣の席を叩いて、座るように催促する。
彼女は怖ず怖ずと俺の隣に座った。
「何?俺の隣じゃご不満?」
「そんなことはないですけど…
私に選択権はないのかなぁって」
それって…
他の奴の隣がよかったってこと?
「ないよ。俺がいる限り」
俺の語気が、つい強くなってしまった。
「…怒ってるの?」
彼女が、俺の顔を伺うように小さな声で尋ねてくる。
「…違うよ。嫌なんだ」
「え?」
「文香の隣に…
俺以外の奴なんて嫌だ」
本当に嫌だ。
文香の傍に他の奴が…と考えるだけで堪らない。
少しでも俺のこの気持ちが彼女に伝わってほしいと、彼女を真っ直ぐ見つめる。
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