甘い香り【Ⅲ】

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「あ…あの…」 真っ赤な顔をして戸惑う彼女。 「…俺自身、こんなの初めてなんだよね。正直、自分の気持ちに戸惑ってるよ…フフッ」 俺は彼女から目線を逸らして、自分の持て余す気持ちを正直に吐露した。 これじゃ、彼女に俺の気持ちを押し付けているだけだよな… だけど… 彼女に俺を見て欲しい 目線を下に向けた俺に、彼女のひざ元で握りしめられている小さな手が、ふと視界に入る。 小さい手だな… そう思った瞬間、俺は自然と彼女の右手に、自分の左手をそっと重ねた。 彼女が一瞬ビクッと反応する。 けれど… 彼女は真っ赤な顔で俯いたまま、手を振りほどかなかった。 文香…いいの? 抵抗しないということは、俺を嫌ってはいないってこと? 俺は期待してしまうよ? ・
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