甘い香り【Ⅲ】

11/40
前へ
/227ページ
次へ
--------- ------- 皆、程よく盛り上がって、程よく酔っ払い、とりあえず居酒屋から出た。 今は、元気が有り余るメンバーで、二次会の相談をしている。 しかし、そんな中、一人ぐったりしている彼女。 「ちょっと~、文香、大丈夫?」 「うー、酔った~。気持ち悪い…」 「ダメだな。こりゃ」 智紀と橋本が彼女の様子を伺って、溜息をついている。 「二人ともまだ飲み足りないんだろ?俺が文香を送るから、皆と行きなよ」 二次会に行きたそうな二人に、俺は声をかける。 「いや…ちょっと…それは…」 そんな俺に言葉を濁す彼女。 少しは危機感を持ってるようだ。 「…俺も酔っ払いを襲うほど鬼畜じゃないよ」 俺がそう言っても、彼女はまだ疑いの眼差しだ。 ま、一昨日のことがあるから解るけどね。 いくら何でも、酔った勢いってのは、いただけないから。 ・
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19385人が本棚に入れています
本棚に追加