甘い香り【Ⅲ】

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「…じゃ、崎村さんにお任せしよっかな~?」 「待って!ちな…ヴッ」 橋本が俺に彼女の面倒を振ろうとしたら、彼女は慌てている。 酔っ払ってて、頭が痛そうだけど。 そして、頭を抱える彼女と橋本が、こそこそ話し合っている。 俺はなんとなく成り行きを眺めていたら、橋本がクルリと振り返り… 「崎村さん、文香よろしくです!」 ニカッと見事な作り笑い。 「りょーかい」 俺も作り笑いで返す。 彼女はなんだか困った顔してるけど、酔っ払ってて反論する気力がないようだ。 「おーい! 早くカラオケ行くぞー!」 武ちゃんが二次会への声かけをしてきた。 「ほいじゃ、将。ふーみんを無事送り届けるように!送りオオカミになるなよ~!」 「文香、じゃあね~!」 智紀と橋本も、他のメンバーの元へと向かった。 すると、彼女は、酔いが回ってきているのか、自販機の横にもたれて、座り込んだ。 大丈夫かな? ・
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