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「ほら」
俺はもたげている彼女の頭の上に、水のペットボトルをちょこんと当てる。
すると、彼女は怠そうに顔を上げた。
「…すみません」
彼女は素直にペットボトルを受け取り、水を飲む。
「まだキツい?」
「…まだちょっとだけ」
「んじゃ、タクシー乗って帰るか」
「…もったいないですよ」
「こっから駅まで距離あるし、文香、動くの辛いでしょ?金なら心配しなくても大丈夫だから」
「すみません…」
彼女は小さな声で、俺に謝る。
彼女は、酔っ払っても涙目で顔が赤い。俺は彼女のこの顔に弱い。
ついでにトロンと気怠そうな表情も追加されて、これまた色っぽい。
俺、なんだか橋本と彼女に、試されている気分…
彼女を俺のものにしたいのなら、生半可な覚悟じゃ駄目だと釘を刺され…
目の前の彼女は、今すぐ襲ってしまいたいほど魅惑的だ。
俺のほうが大丈夫かな?
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