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「とりあえず、ベッドに寝かせるしかないよな…」
玄関先で靴を脱ぎながら、当たり前なことを独り言で零す。
「あ…」
俺、自分んちに女の子上げたの初めてだ。
突然そのことに、今、気付いた。
昔から、付き合ってる子にどんなにねだられても、自分の家へ入ることは断った。
自分のテリトリーを侵されるのが嫌だったからだ。
それが、今はどうだ。
彼女だと全く躊躇いがない。
「ホントに…
初めてのことばかりだな…」
俺はまた独り呟いて、彼女を抱いたまま、寝室へと足を向けた。
そして、彼女をそっとベッドに降ろすと、ふと足元に視線がいく。
あ…靴、脱がせないとな。
俺は腰を屈めて、横たわる彼女の足から靴を脱がせる。
相変わらず熟睡中のお姫様。
膝を曲げて、縮こまるような彼女の寝姿を見下ろし、途端に抱きしめたい衝動に襲われる。
…俺、どこまで持つかな…?
やりきれないジレンマと戦う。
「……風呂、入ろ」
とりあえず、お姫様に布団をかけ、この甘い誘惑の空間から脱出することにした。
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