甘い香り【Ⅲ】

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カチャ… 静かに寝室のドアを開ける。 「文香…」 俺はドアから顔だけ出して、小さな声で呼びかけるけれど、やはり返事はない。 ベッドの上を見ると、未だ熟睡中のお姫様 掛け布団を股に挟み、抱き着いたような格好で寝てる。 あー…あの布団と代わりたい って、俺は変態かよ! …………アホか、俺は。 一人ノリツッコミして、虚しくなる。 とりあえず気を取り直して、布団をかけ直そうと、そっと彼女へ近付いた。 よく寝てるなぁ… 俺はベッド脇にひざまづき、頬杖ついて、彼女の寝顔を眺める。 いつもより幼く感じるかも… 彼女は化粧もナチュラルメイクで、余り派手な格好もしていない。 今日の服装も淡いベージュのコットンチュニックにジーンズの出で立ちだ。 だから、漫画にあるような、スカートから生足がチラリ、胸元がチラリ…というようなエロい展開にはならないんだけど… 「何故か、そそられるんだよなぁ…」 ・
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