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「…あの…ここは?」
「俺ん家」
困ったような気まずい感じの彼女の表情。
突然のこの状況に、戸惑うのは仕方がないか…
俺は、彼女に家に来る羽目になったいきさつを簡単に説明した。
「…ご迷惑をおかけして、すみません」
小さい身体を更に縮こまらせて、真っ赤な顔して謝る彼女。
この顔見てたら、つい虐めたくなるんだよね
「ま、その分、俺もちょっと得したとこもあるから、気にしないでね」
「あの…得とは?」
「んー?
まずは口半開きの文香の寝顔が見れたでしょ?」
「えぇ!?」
フフッ…ビックリしてる。ビックリしてる。
オタオタする可愛い彼女を見て、今更だが、好きな子に意地悪したくなるという心理を理解する。
「あと、ここまで運ぶために抱っこもできたし?」
「うそ!?抱っこって!?」
「起きないから仕方ないじゃん。だから、お姫様抱っこって奴?」
「ーッ!!……あ!」
彼女は俺の発言に動揺し、持っていたグラスの中の氷を、そこら中にぶちまけてしまった。
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