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「もう氷はこれだけだよ…」
「ひゃッ!冷たッ!
ひどい!
冷たいじゃないですか!」
彼女は、俺の不意打ちに不満の声を上げる。
俺が、手の中にあった氷を彼女の首筋に当てたからだ。
彼女の肌を這う、あの一滴が俺の目に焼き付いて…
「フフッ…文香はエロいのに、色気ないこと言うなぁ」
「あたしはエロくなんかありません!」
顔を真っ赤にして、口を尖らせて怒っている、どこまでも無自覚なお姫様。
「そかな?」
俺は彼女の首筋に当てた氷を口に入れ、ゴリゴリと噛み砕いた。
もう、これ以上…
俺が当てた氷の雫が、また彼女の首筋から鎖骨へ滴り落ちる。
………限界
俺は彼女を自分へと引き寄せる。
「わッ!…んんんッ!」
そして、彼女にキスをした。
彼女の頭を押さえ込み、我慢していた欲求を満たすように、彼女の唇を貪る。
「んあッ…ジャリ…はッ…」
二人の口の中で、冷たい氷と熱い舌が交錯する。
彼女の甘い香り…甘い声…甘い味
俺を翻弄し続ける甘い甘い文香
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