甘い香り【Ⅲ】

37/40
前へ
/227ページ
次へ
「もう引き返せない。 ホントの送りオオカミになっちゃったな…」 「はぅッ!…あッ…やッ…ッ!」 俺は彼女の綺麗な身体の曲線を、確かめるように指でなぞる。 「たまんないな…このうさぎは… すごく甘くて…美味しい… 全部食べ尽くさないと、もう気が済まない…」 穢を知らない無垢な文香を汚してしまうような罪悪感 穢を知らない文香のすべてを手に入れたい支配欲 罪悪感と支配欲 相反する感情が、俺の中でせめぎ合う。 文香…… 狡い俺を許して欲しい 我が儘な俺を許して欲しい 文香が俺を好きじゃなくても 俺の手で文香を汚すことなっても 文香のすべてがどうしても欲しい そのために 俺は文香に何をしたらいい? 俺が出来ることは、ただ一つだけ 「文香…怖がらないで… お前の全部受け止めてやるから、俺にお前の全部ちょうだい」 ・
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19385人が本棚に入れています
本棚に追加