甘い香り【Ⅲ】

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俺は、文香の妖艶で美しい身体の隅々まで味わう。 文香の甘い声と快感に歪む表情 乱れる髪としなる身体 白い肌には俺の残した赤い跡 俺を狂わす甘い香り 文香のすべてが愛おしい そして、彼女が痛みに堪えながら、俺の手を強く握る。 「文香…」 「しょ…う…さ……」 二人が一つになった時、涙を浮かべ、俺の名前を呼んだ文香。 俺の独りよがりで一方的な心と身体を、優しくてお人よしの文香はすべて受け入れた。 ありがとう…文香 お前が欲しいと、 俺はただただ駄々をこねただけ。 こんな俺のために、 この綺麗な身体を捧げてくれた。 好きだよ…文香 好きで好きで、堪らなく好きだよ だから、俺は誓う 文香のすべてを受け止める 喜びも怒りも、哀しみも楽しみも 怯える過去も、苦しむ傷も 俺のものになってくれた文香を 俺は全身全霊で守る。 だから… 俺だけに文香のすべてを見せて 怖がらずに…怯えずに… 俺は何があろうと 文香の傍から離れないから ・
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