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直哉「おぉ、恐い恐い…そんなに恐い目をされたらワタクシ泣いてシマウヨー」
言葉とは正反対に醜悪な笑みを浮かべる直哉に冴木は直樹と接触してから今までの過程と何処に向かっているのかを説明した
直哉「ふわぁ~…オーケーオーケー、大体予想通りで安心したよ」
大きな欠伸をした後三人を冷めた目でなめる様に見る直哉
直哉「ん、大体必要な事は把握出来たし…さっさと行こうよ、もう眠いし重いし疲れてんだよ俺」
眠たそうにポリポリと頭を掻きながら案内を催促する直哉にため息を漏らす冴木
冴木「分かった…付いてこい…」
と言った冴木だったが数歩進んだ所で動きがぴたりと止まった
直哉「ん?どったの?」
冴木「…誰か木の上に居る…」
直哉達も冴木の視線の先を注視するが木の枝や葉が邪魔で何も見えない
しかし次の瞬間、冴木の視線の先にある木々の間から細長い棒状の何かが高速でこちらに飛んで来た
それはちよしを庇う為に伸ばした冴木の左腕の肉を少し抉り、当たった衝撃で回転しながら地面へと落下した
ちよし「お兄ちゃん、大丈夫!?」
冴木「心配するな、かすった程度だ…」
落下した棒状のそれはよく見ると鏃(やじり)の無い矢だった
材料は竹だろうか、先端の部分が円錐状に鋭く削ってあり冴木の血が付いている
戦闘体勢を取る四人
冴木は小太刀を、ちよしは拳銃を、月華は隠していたダガーナイフを手に矢が飛んで来た方へと睨みを効かす
一方直哉はライフルの安全装置を外しながら皆に気取られないよう三人の背後へこっそりと移動する
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