転機

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 勇典(ゆうでん)さんはお坊さんだからツルツルだ。  そしてゼロワンは、スキンヘッドを生で見るの初めてだ。 だからと言って、堂々と直視するのはどうかと思う。  しかも勇典さんもゼロワンを見てるから、その視線が何処に向いているか気付いている筈なのに、いつもの如く菩薩様の様に微笑んでいらっしゃる。 何だか居たたまれない。 「ジン君、落ち着きましたか? 」 俺がどうでもいい事を考えられるくらい快復できたのを察したのか、勇典さんは俺にだけ聞いてきた。 まあ、取り乱したのは俺だけだからだろう。
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