転機

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 姿を見た瞬間、泣きついた。  子供と言っても、それが許される程幼くはないのに。  その暖かい胸にすがりついて、情けなくも声をあげて。  勇典さんから香る線香の匂いを吸い込みながら、首を傾げて突っ立っている少女の腕を引っ張る。  少女にも安心してほしくて。  勇典さんは俺達2人の背中を撫でながら、何も言わずあやしてくれた。 .
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