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商店街の喫茶店で、もし近所の人にみられたら、と考えた透子はわざわざ電車に乗り、隣町の住宅地に囲まれた小さな喫茶店に彼を案内した。
この喫茶店は、透子が短大に通っていた頃、友達の家に遊びに行こうとして偶然に見つけて以来この場所は透子の隠れ家になっている。
お昼時とあって、店内はほぼ満席になっていた。
二人は店内の奥に二人掛けの席を見つけるとそこに座った。
オープンキッチンから中年女性がお水とおしぼりを持って二人の前に置くと、「本日のランチは……」と簡単に説明し、キッチンに戻っていった。
しばらくして、
「決めた?」
彼はニッコリと笑みを見せる。
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