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遊歩道のベンチに座って居眠りをしている男性の横を通り過ぎた。しかし、いったん通り過ぎたその足をバックさせる。
(やだ!! 怪我してる。)
頬や半袖からのぞく腕は青あざがあり、唇からうっすらと血がにじんでいた。
(どうしよう。)
あたりを見渡すが、こんな時に限って人気がない。
戸惑いながら男に近づく。
綺麗に染められたハニーオレンジ色の髪は、太陽に照らされキラキラと輝く。
(美容室で染めてるのかしら。)
あまりにもその髪が綺麗でついそんなことを思いつつ、透子は男の顔をのぞき込んだ。
「あの……大丈夫ですか?」
声をかけたが、ぴくりともしない。
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