出逢~first story~

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彼の怪我は見るからにも痛々しい。 「病院行かなくても大丈夫なの?」 「行くよ…これ、汚しちゃったね。」 まるで人事のように言って、透子が握っているハンカチを彼はそっと持つ。 「あっ!」 「これ、綺麗にして返すから、明日この時間に来て。」 彼は立ち上がりふっと笑った。 その笑顔は柔らかくキラキラと輝く髪がとても似合っていた。 透子は彼の立ち去る後ろ姿を見つめることしか出来なかった。 .
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