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「きらぁ!!きら!きらり、起きや!」
はっ!!
と
大教室の前列で
居眠りしてしまった、
田中きらり(20)は、
同期の戸田かおり(21)に
起こされた。
「あんた、天下のK大医学部を満点合格ゆうても、一番前で居眠りはあかんで」
「それから、始まるで。あんたが待望してた予防医学の講義、あの教授やで」
かおりは、嫌みなく大きな声で
きらりに言っている。
言われた、きらりも
心地良さそうである。
「かおり、起こしてくれて、ありがとう」
「何故か眠くて…変な夢も見たし…」
「あ、それから満点合格って、ちゃうしあんまゆわんといて…戸田教授が言ってたん?」
かおりの父親は胸部外科教授で、
きらりの成績が良すぎる事を
よく娘に言ってしまっていたのであった。
きらりはT大理Ⅲにも
トップ合格するのでは
と言われていた実力者だが
どうしてもK大に行くと言い
高校や塾の進路指導者達が
ため息をついた
という逸話もある程で
世の親御さんが(戸田教授しかり)
羨ましく思えるのも頷ける程である。
かといって
かおりも才女であり
戸田教授にとっても
自慢の娘なのだか…
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