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15年。
それは俺があまりにも無価値な存在であることを認識するのに十分過ぎる時間だった。
思えば小学5年の頃かも知れない。
自分には才能がない。
そう思い始めたのは。
ませたガキだと思うかもしれない。可愛くない子供だと思うかもしれない。
でも、確かにそう思っていた。
周りには自分より確かに頭のいい奴がいて、自分より確かに運動神経がいい奴がいた。
そんな中で自分なりに足掻いた。努力もした。才能が無くてもやれることを証明したかった。
でもその先にいつも見えてくるのは
自分の無力だった。
いくら勉強しても頭のいい奴はその努力を嘲笑うかのようにテストで自分よりいい点を取ってみせる。運動神経がいい奴は自分がいくら練習してもできなかったことを平然とやってのける。
いくらやっても才能がある奴には勝てない。そう自分で決めつけたんだ。
そんなことを思い始めてから5年。
高校一年の春。
俺が“少女”と出会い、自分の才能を知るのはこれから先の話。
ここから語るのは自己満足な独り言。
真っ紅に染まった春のお話。
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