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「そろそろ起きたらどうだ?」
半ば半分呆れたような土方さんの言葉に従い、私は勢いよく布団から這い出て、身なりを整える。
土方さんの肩が微かに揺れてる。
もしや私、笑われてるじゃ?!
一通り身なりを整え、恐る恐る土方さんの机の側まできて、ちょこんと座ってみる。
机の上には巻物みたいたものが沢山置いてあり、墨の薫りがなんともいい感じ。
巻物には、ミミズが這ったような文字が書いてあるけど、まったく読めない…
文字が読めないので、じっと土方さんが筆を走らせている姿を拝見させていただく。
…やっぱり男前だなあ///
白黒写真は見た事あったけど、実物はちょっと感じが違う。
なんか、今流行りの韓流スター系って言うのかな?
切れ長の二重の瞳が何とも麗しい。
ぼーっと見とれていると、土方さんがこっちを向いた。
「見惚れる気持ちはわからんでもないが、そんなに見られると仕事にならんな」
ニヤリと笑い、グッと私を自分の方に引き寄せる。
そして、広く逞しい胸に包み込まれるように抱き締められた。
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