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自室に戻り、総司たちが来るのを待つが…
待てどくらせど、一向にあいつら現れやしねえじゃねえか!
イライラが募り、タバコがやめられない。部屋中が紫煙で、霞がかっている。
そこへ丁度、巡察の報告に来た隊士がやってきたので、
「今すぐ総司を連れてきやがれ!」
と命令し、又、タバコに火をつけた。
命令を受けた隊士は命からがら、総司の部屋へ走っていく。
しばらくして、緊張感0の総司と先ほどの娘が部屋にやってきた。
ん?
娘は目を少し赤くし、泣いた後のようだった。
総司の野郎、先に何かしやがったな…
娘と二人で話しをしようと思っていたのに、総司がペラペラと娘について語り出す。
先に、二人で随分話をしていた事がわかり、イラっとしたのだが、総司の話からすると、尾張から来て、京で迷子になったか人攫いに合ったようだ。
総司は、口では尾張に返してあげたいと言っているが、実際本音は違うだろう。
あれこれ考えあぐね居ていると、娘がまた可笑しな事をいいだした。
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