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……え? え!?
もしかして、俺が気を失ったのは僧侶さんが原因?
……まさかな。
「いや、だって急に殺意が芽生えたんだもの。仕方ないじゃな~い♪」
この僧侶認めやがったよ!! しかも反省の色どこにも見当たらねぇよ!!
「仕方なくないでしょ。それよりも早くこの人を回復させてあげなきゃ。可哀想だよ。」
お、勇者が一瞬だけかっこよく見えた!! このモミアゲなのに一瞬だけかっこよく見えちゃったよ!!
「可哀想? 勇者クン何言ってるの~? 神のお告げがあったのよ。“殺ってよし”って♪」
ちょ、絶対神様そんなこと言わないだろ!! つーかそれ神というより、もはや悪魔だろ!!
「そっか、僧侶がそう言うのなら仕方ないね」
おい勇者ぁぁぁぁ!! 仕方ないわけないだろ!! 前言撤回、勇者どこもかっこよくない。
「でも例の件のことがあるからさ、回復してあげてようよ?」
「フフフ、わかってるわよ~。でもアレがどっか行っちゃったから、回復してあげようにもできないのよ~。」
「アレ? アレって杖のこと? 杖ならいつも僧侶が持ち歩いてるじゃん」
杖持ってるのお前だよ!! おい勇者気付けよ、自分の右手でバッチリ握ってるじゃないかっ!!
「ちょっと勇者クンのカバンの中見せてくれない? さっき宿から逃げた時に間違ってそっちに入れちゃったかもしれないわ~」
「いや、杖なら勇者が持ってるじゃん!!」
俺はいてもたってもいられなくなって、力の入らない体に鞭を打って叫んでしまっていた。
ただ、何か大変なことを聞き逃してしまった気がするが。
「あ、ホントだ。僕、いつの間にか僧侶の杖持ってたみたい」
気付くの遅ぇよ!! てか僧侶も気付けよ!! 存在感ない勇者の中で唯一その杖だけが存在感放ってたぞ!!
「あ、ホント~。杖は勇者クンが持ってたのねぇ。あ、これで回復できるわ~」
僧侶は杖を一瞥してから、勇者のカバンから何かを見つけ、俺に近付いてくる。
あれ? 勇者から杖は受け取らないのか?
そうして、僧侶は俺に……
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