第十二章 目的

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隕石落下以前に力尽きた武闘家。戦力外通告は辛いものがあったようだ。 ドンマイ、武闘家。 で、そんな彼に誰も構うことなく必死に隕石落下を食い止めようとしている。 僧侶と勇者は段々と大きくなっている気がする白い光に向けて魔法を放ち、俺、イルマ、中佐は結界でシールドを作り、武闘家は独りorz中。 空へとたくさんの魔法弾が飛んでいくが、隕石に当たってる気がしないというか、隕石を破壊できてる気がしないのは俺だけか? 普通、僧侶の魔法が当たったら、破壊されるか苦しむか棺桶になるかのいずれかが起こるんだが、今回は何一つ変化がない。それどころか、どんどん大きくなってるよ!? 「これは厳しいわね~」 僧侶、なに涼しい顔して言ってんだよ!! 「やれることはやったさ」 勇者、早々に諦めんなし!! 二人は俺たちと同じく防御に回った。迎撃失敗ですか……。 ということは、この防御に全てがかかってるってことか……。 頑張れ、イルマ。 「モブクン、任せたわ~」 「モブ、頼むよ?」 僧侶、勇者、俺にプレッシャーかけんな!! 俺よりもイルマに言え!! 「いや、俺が頑張るぜぇ」 中佐、そこ変に対抗心燃やすところじゃねぇだろ!! 「私は私は?」 目をキラキラと輝かせて、自分にも「頑張って」と言って欲しそうな目を僧侶に向けるイルマ。 だが、僧侶は既に防御に集中していてイルマのことなんて構っちゃいない。 そう泣きそうな顔すんなよ。俺は応援してるから。マジで頼むぜ? ……決してイルマ任せってわけじゃないぞ? 「そろそろ来んぞ!!」 中佐が叫んだ。中佐が呼び寄せた(?)隕石が俺たちの張った結界へとぶつかる寸前のこと。 一気に眩む視界。押し寄せる衝撃。響く轟音。 「うぉおおおおおおおお!!」 叫ぶ武闘家。お前、何にも携わってないのに、なぜ叫ぶ!? とにかく、全身全霊で、ありったけの気を防御に注ぎ込んだ俺。永遠かとも思われた短い時間が過ぎた時、真っ白だった視界がクリアになる。
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