第十二章 目的

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「…………耐えた、のか?」 身体への負荷が無くなり、誰かさんと違って満足に声が出せるようになった。 「そうみたいね~」 僧侶は上げていた腕を下ろした。疲れた風を装っているようだが、あれ絶対疲れてねぇだろ。 「よっしゃあ!! 乗り切ったぜぇ」 「あんまり大したことなかったわね」 はしゃぐ中佐に疲れてそうに見えないイルマ。 「イルマお疲れさん。正直俺たちいらなかったんじゃね?」 「そんなことないわよ」 「俺が頑張ったからなぁ」 さりげなく自分の手柄にしようとする中佐。 「何言ってるのさ? 僕が頑張ったからに決まってるよ」 「違うわ~、勇者クン。私のおかげよ~」 なんだ、コイツら? いつにも増してがめついぞ!! 「いや待て」 さっきまで精神的に力尽きていた武闘家が立ち上がった。俺たちを見回して、少し溜めてから一言。 「俺だ」 「「「それはない!!」」」 全員から総ツッコミを喰らって再びダウンする武闘家。 そんなヤツはスルーして、俺は別の話題を振ることにする。 「ところで、隕石ってどれだったんだ?」 イルマがほとんど守ってくれたにせよ、大きな衝撃だったのは間違いない。その隕石はどこ行ったんだよ? 「隕石? それじゃない?」 そう言って黒い石ころを拾い上げたイルマ。 「小っさ!!」 拳よりも小さいよ!! 石ころと変わんないじゃねぇか!!
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