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「…………耐えた、のか?」
身体への負荷が無くなり、誰かさんと違って満足に声が出せるようになった。
「そうみたいね~」
僧侶は上げていた腕を下ろした。疲れた風を装っているようだが、あれ絶対疲れてねぇだろ。
「よっしゃあ!! 乗り切ったぜぇ」
「あんまり大したことなかったわね」
はしゃぐ中佐に疲れてそうに見えないイルマ。
「イルマお疲れさん。正直俺たちいらなかったんじゃね?」
「そんなことないわよ」
「俺が頑張ったからなぁ」
さりげなく自分の手柄にしようとする中佐。
「何言ってるのさ? 僕が頑張ったからに決まってるよ」
「違うわ~、勇者クン。私のおかげよ~」
なんだ、コイツら? いつにも増してがめついぞ!!
「いや待て」
さっきまで精神的に力尽きていた武闘家が立ち上がった。俺たちを見回して、少し溜めてから一言。
「俺だ」
「「「それはない!!」」」
全員から総ツッコミを喰らって再びダウンする武闘家。
そんなヤツはスルーして、俺は別の話題を振ることにする。
「ところで、隕石ってどれだったんだ?」
イルマがほとんど守ってくれたにせよ、大きな衝撃だったのは間違いない。その隕石はどこ行ったんだよ?
「隕石? それじゃない?」
そう言って黒い石ころを拾い上げたイルマ。
「小っさ!!」
拳よりも小さいよ!! 石ころと変わんないじゃねぇか!!
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