第十二章 目的

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「小さいのにすごい衝撃だったわ~」 「中佐の部屋の窓ガラスが全部割れるほどの衝撃だったもんね」 勇者の言葉に、中佐は団長室の方へ振り向く。 「はぁ!? なんか俺の団長室だけボロボロじゃねぇ!?」 「良かったよ。中佐とお城は守れて」 「団長室守れてねぇよぉ!!」 騒ぐ中佐。それを聞いて何事かと勇国兵が集まってきた。 「あら~? やっと兵士が群がってきたわ~」 やっと……? 「兵士さ~ん。今隕石が落ちてきたんだけどね~、私が守り切っておいたから~。安心して職務に励みなさ~い」 「おぉ、僧侶さんすげぇ!!」 「さすがあく……僧侶さんだ!!」 兵士たちが口々に僧侶を誉め称え始めた。 まさか。 僧侶は自分の手柄にしようとしてるのか……!? 「いや、待ちな、君たち。別に僧侶が守り切ったわけじゃないんだ」 勇者が盛り上がっている勇国兵たちを鎮めた。 いいぞ、勇者。本当のことを言ってやれ!! 「僕なんだ」 お前もかよっ!! 「なんと!! 勇者さんだったのか!!」 「さすが勇者さんだ!!」 なんで信じちゃうかなー。 「待て、本当は俺が……」 「武闘家さんはないッスね」 「誰の目から見ても明らかですね」 「おい待て!! なぜ俺は相手にされんのだ!?」 「だって武闘家さんだもの」 撃沈する武闘家。ドンマイ。
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