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武闘家はどうでもいいとして、このままじゃ勇者一人が頑張った感じになっちまう!! みんなで頑張ったんだから、手柄の横取りなんてさせねぇ!!
「おや? 戦士さん、険しい顔されて、どうかなされたんですか?」
俺が打開策を模索してると、勇国兵の一人が声を掛けてきた。
「いや、ちょっと考え事を」
「もしや、先程の衝撃で負傷を!?」
違ぇよ!! 考え事って言ってるだろ!! 話聞けよ!!
「ケガはしてないから」
「それはなによりです。自分はですね、僧侶さんと勇者さんはああ言ってますけど、正直、違うと思っているんです」
ここだけの話と、小声で俺に話すこの若い勇国兵。なかなかわかってるじゃないか。
「本当は戦士さんが守ってくれたんですよね?」
あ、俺!?
「やっぱり守りの要と言えば戦士さんだって団長が言ってましたもん」
そんな誉めるなよ。
「いや、そんなことないって」
「え!? 違うんですか? じゃあ、誰が守ったんです!?」
この問いに、俺はどや顔で、
「みんなでしょ!!」
って手振りまで付けて言ってやった。
「皆さん、ですか……?」
「そりゃそうだよ。俺たちみんなで勇者一行だぜ? ある一人だけが、ってことはねぇよ」
「そうでしたか。やっぱり、戦士さんともなると、言うことが違いますね!!」
うまく丸め込めたようだ。本当はイルマだけどな!!
あと、やるべきことは……
「それよりも、このことを勘違いしている他のヤツにも教えないとな。決して勇者一人が頑張ったわけじゃないんだから」
「そうですねぇ」
「それをアンタに任せるわ」
「じ、自分ですか!?」
「あぁ、もちろん。じゃあ、いつやるか? 今でしょ!!」
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