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歩きながら、彼女は俺に問い掛けてきた。
「何故、お前程の男があいつの部下で居るんだ?」
ラスの言葉に俺は苦笑う。
俺がナイトメア様の傍に居る事がそんなに不自然だろうか。
「昔、俺はナイトメア様を殺そうとしたんだ。」
「---殺せなかった、か?」
「ああ。---あの人には適わない。」
「それだけ夢魔は強いのか。」
「ああ。」
ラスは納得したのか、どうか分からない。
彼女は表情が豊かではない。
アリスとは違う。
同じ<余所者>だがやはり二人は違う。
「君はナイトメア様を怖い、と感じるか?」
「---ナイトメアを?」
「そうだ。」
ラスは僅かに目を見開いた。
それから少し思案したのち、俺を見上げた。
「ナイトメアは全く怖くない。…だが、夢魔は怖いと思う。」
「何が違うんだ?」
「違うだろう?」
ラスに聞き返されても俺には分からなかった。
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