-Case.1-

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 初めて、彼女に出会った時に気が付いた。  -----同業者だ。  昼の時間帯、ナイトメア様がまた塔を抜け出した。  病院に行くのがそんなに嫌なのか。  あれだけ吐血を繰り返して、いつ死んでしまうか分からないじゃないか。 「---グレイ。」 「ラス!ちょうど良かった。ナイトメア様を見なかったか?」 「また抜け出したか。」 「ああ。」  彼女はため息を吐き出す。  ナイトメア様より少し低い身長で女性にしてはかなり高い。  近くで見なければ、彼女が女性とは気が付かないかもしれない。 「---俺も手伝う。」 「それは助かるが…君、仕事は良いのか?」 「ブラッドの使いはこれだけだ。それにナイトメアの居そうな所は見当が付く。」 「本当か?」 「ああ。」  ラスは紙袋を片手に先立って歩きだした。  俺は彼女の背を追う。 「---君はどうして帽子屋なんかと一緒に居るんだ?」  つい、口を出た問いにラスは淡々と応えた。 「あそこが俺の居た世界と似ているからだ。」 「でも、君が良く訪れていたのは時計塔だったのだろう?」 「---ナイトメアは意外と口が軽いな。」 「あ、すまない。詮索する気はなかったんだが…。」 「構わない。ナイトメアの部下として当然の事だろう。」 「え?」  ラスの言葉に俺は違和感を感じていた。 .
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