-Case.1-

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 歩きながら、彼女は俺に問い掛けてきた。 「何故、お前程の男があいつの部下で居るんだ?」  ラスの言葉に俺は苦笑う。  俺がナイトメア様の傍に居る事がそんなに不自然だろうか。 「昔、俺はナイトメア様を殺そうとしたんだ。」 「---殺せなかった、か?」 「ああ。---あの人には適わない。」 「それだけ夢魔は強いのか。」 「ああ。」  ラスは納得したのか、どうか分からない。  彼女は表情が豊かではない。  アリスとは違う。  同じ<余所者>だがやはり二人は違う。 「君はナイトメア様を怖い、と感じるか?」 「---ナイトメアを?」 「そうだ。」  ラスは僅かに目を見開いた。  それから少し思案したのち、俺を見上げた。 「ナイトメアは全く怖くない。…だが、夢魔は怖いと思う。」 「何が違うんだ?」 「違うだろう?」  ラスに聞き返されても俺には分からなかった。 .
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