幸せの伝達

日常

オレはこの日常が嫌いだ。

街に出て学校に行き、勉強をして一日を終える。

そんな当たり前な毎日が大嫌いだ。

昼間の街中を堂々と歩く。

この深沢街は何もない。

大人は他の街へ仕事に行き、子供は街中の学校へ通う。
住宅はそこそこだが、これと言って遊べる施設などはない。

本当に･･･ただ日常を退屈に過ごす街。

この街に暮らし出したのは高校に入学してからだった。

オレが通う深沢第二高校。
全国的にもそこそこ人気の学校で、進学に長けた学校。

部活も盛んで、何個かは県大会あるいはその上をいくこともあるらしい。
まぁオレは所属はしていないが･･･

季節は春。
始業式を昨日やって、今日からは授業だった。

そして、校門まであと100メートルのところで学校のチャイムが聞こえた。

おそらく今から昼休みなのだろう。

寿樹｢はぁ･･･｣

オレはため息を溢してまた歩き出した。