無表情の一日

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と言うか社長の奥さんだ。 「きゃー、またきたよーかわいいー」 そう言って娘の頭を撫でまわす。 「あにょにょー」 「あはー何言ってるかわかんない」 「…いつものですか?」 「うん、コーヒーとパン頂戴、砂糖は…」 「…5杯ですね」 「うん」 大人しくカウンター席につく。 社長の奥さんは若い、実際の年齢は知らないが外形は大学生といわれても違和感はない。 「…どうぞ」 「ありがとー」 ずずっと、かなり甘いコーヒーをすすりながらパンをかじる。 確か社長のとこの子供は今年高校生になったから… 「ん?なに?みつめちゃいやん」 「…30はいってるよな」 ぼそりと呟く。 「女性の年齢はトップシークレットよ」 聞こえてた。 「…すいません」 「いいのよいいのよー、それだけ私が若く見えるって事だし」 自分で言ってしまうか。 社長の奥さんについてはよくは知らない。 あの社長の奥さんではあるが、規格外の強さを持ってるわけでもない。 知ってることと言えば、本人が言っていたことだが、昔は不良だったらしいということだけ。
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