無表情の一日

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夕方、店が一番賑わう時間だ。 鐘が鳴る。 「…いらっしゃい。」 「こんにちはマスター」 「失礼いたしますよー」 「失礼します!」 「こんにちはーです、ねこちゃんはどこですかー」 「こんにちはー!」 「お邪魔するっす」 「…ん…お前達か。」 やって来たのは常連も常連。 妻の職場である高校の生徒達。 更に言えば、社長の息子と娘とその友達だ。 他にも同じ制服を着た高校生や仕事終りの人達がたくさんやって来る。 客が多いと、娘は席をはなれてカウンターの内側にある椅子に座って絵を描いたり、オモチャや猫と遊んでいる。 「ねこー」 『…にゃー』 「ねこちゃ~ん♪」 「くよねこー」 社長の子の友達が猫好きなのようでよく一緒に猫と遊んでいる。
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