ちったい氷呂さん

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「実はかくかくしかじかで」 「…そうか。つまり番外編か」 「俺、先生のその理解あるとこ大好きですよ」 ちょこんと椅子に座らされた氷呂を簡単に診察しながら、ため息をついてぐしゃぐしゃと髪を掻き回す。 「…木崎は夕べなにか変なものを食べなかったか?」 「さあ…基本的に夕食は俺たち生徒会と一緒にしていますが…特に変わったものは食べてないと思いますが…」 「うー?…………に"ゃっ!」 なあ?と首を傾げる璃王と同じように首を傾げて、そのまま傾けた頭の重さで椅子から転がり落ちそうになるところを朱雀が拾い上げる。 「か…可愛い!萌え!」 「カオルンさっきから顔緩みっぱなしだよー」 「……まあ、だいたいの事情は理解した。預かってやるからさっさと教室に帰れ」 「ぷ?」 椅子の上は危ないと判断されたのか、ベッドの上に転がされた氷呂の頭をかいぐりかいぐりと撫で回しながら、ため息をついてひらひらと手を振る。
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