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「色々あって一日預かっているだけだ」
「なーんだ。ついに先生も年貢を納めたのかと思った。なー?」
「なー」
「俺はまだ納めるつもりはない
…なんだ、心配したのか?」
「ば…っ!な、ち…違うっ!そんなんじゃないって!」
氷呂を高く持ち上げてあやしていた宇野が、にやりと笑う鳥居の言葉に動揺したのか思わず落としそうになりながら赤くなって否定する。
「まあいい、少し用事があって保健室を離れなければいけないんだが、仮眠をとるついでにその子にも昼寝をさせてやってくれ」
「いいですよー。よし坊主。お兄ちゃんとお昼寝しようか」
「おいちゃん」
「お兄ちゃんだ」
それじゃあ頼むぞと保健室を出る鳥居を二人で見送り、保健室の備品にしては寝心地抜群のベッドに転がると、子供はすぐにうとうととしはじめる。
むにむに動く柔らかいほっぺをつつきながら眺めているうちに、つられるように眠りに落ちていった…。
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