ちったい氷呂さん

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明らかに『何か』を期待する目のハトリの額にデコピンを食らわせ、何かいいたげににやにやと笑う伊瀬に手元にあった枕を力一杯投げ付ける。 「なんだよ、『何もなかった』んだろ?何をそんなに怒っ…ぶっ!」 「っも、もう知りません!今日はもう帰ります!」 「ヒロちゃ~ん怒んないでよぉ~やっぱり何かあったのぉ?」 「ありません!」 「鳥居センセー」 「なんだ眞城」 「氷呂に何があったの?」 「何もなかったって言ってるんだから、詮索してやるな」 この日、ジャージ姿で寮に戻る怒れる副会長様の身に何が起きたのか… 真実を知るのは、ビデオカメラを仕掛けた鳥居先生と、その友人。そして隣で戦々恐々としながら寝た振りを続けていた宇野先生だけである。 【終】
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