星に願いを

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「あ…のっ璃王様…僕たちとお話していただけますか?」 ようやく重い腰を上げた璃王に、子犬のようなかわいらしい生徒がぱたぱたと駆け寄って頬を染める。 「…ああ、そうだな。お前らは確か中間の時も上位に入ってたか。よくやったな」 「僕らの事覚えていただけていたんですね…っ!」 「…まあな」 キングの言葉に、子犬たちが今にも泣き出しそうになる程、頬を染め大きな瞳を潤ませる。 「あ、あの、お料理お取りしますね…!」 「璃王様、鴨がお好きでしたよね…っ!」 「ああっ僕が取りに行くんだからねっ」 「…おい、お前もさっきから物陰から物欲しそうにこっちを見てる奴等の相手してこいや」 お互いを牽制しあいながら、誰が一番会長のお好きな料理を取ってこられるかと早足で料理に向かう子犬の群れを見送ると、未だ優雅にソファに腰をおろしたままの氷呂へと抗議の視線を送る。
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