星に願いを

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いつもは櫛で適当にとかしただけの吉野の髪は、今日は綺麗にセットされている。 パーティーが始まっていきなり崩してしまうには少々勿体ない。 「ん…」 「あぁっ!な、何をするんですか!」 「これ…撫でて…れる?」 「ああ…もう」 自分の手でぐしゃぐしゃと綺麗に纏められていた髪を乱し、嬉しそうに笑われては撫でない訳にもいかない。 「よしよし。沢山頑張って偉いですね」 「ん…氷呂…教え…から」 見えない尻尾をぱたぱたと振りながら笑う吉野は、どう見ても犬にしか見えない。 「吉野、スーツがとても似合っていますよ。…私もそっちの方が着たかったです」 「氷呂…サンタ…かわい…」 「うーん…あまり嬉しくないですね」 パーティーの大半はスーツ姿での参加で、多少ラフな姿の生徒はいても、流石にサンタ服は居ない。
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