星に願いを

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最初は和やかに談笑をしていた氷呂が徐々に気だるげな動きへと変わり、ソファに凭れはじめた。 「氷呂ー?」 「どしたのー?疲れちゃった?」 「んー…?いえー…平気ですよー?」 伏せた目元がほんのり赤く染まり、手にしたグラスの縁をなぞる指先の動きがやけに艶かしい。 「氷呂…っふ、ふあああああ!?」 心配そうに覗き込んできた右京の肩を抱き寄せて、その頬にちゅっ と小さく音を立てて唇を落とした。 「右京!?なにどーしたの!?」 「ふふ。左京ー」 「ひゃあああああ!」 首まで真っ赤になって硬直した右京から手を離し、反対側に居た左京にも抱き付いて同じように額に軽くキスをする。 「「っひ氷呂ぉぉおお?!」」 「ふふふー」 「「「木崎さまああああ!?」」」 真っ赤になった左右の双子の反応に満足そうに笑い、両腕で二人を抱き寄せてぎゅーっと抱き締めると周囲から悲鳴が上がった。
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