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「ふぁ…」
「吉野!貴方はこんな場所で何をしているんですか!それでも風紀ですか!」
「だ…て、氷呂…かわい…から」
「『可愛いかったから』で許されれば風紀はいりません!」
床に座り込み、足りない酸素を補給するために深く息を吸い込んでいると、怒り狂う五光の声が真上から聞こえてきた。
「…吉野?」
顔を上げると、回りを取り囲む生徒たちは何故か赤まだらのシャツや赤まだらのスーツを着て鼻を押さえていた。
…はて。今日は赤い服を着ていたのは生徒会だけじゃなかったか。
「…っ!氷呂っ!大丈夫ですか!?立てますか!?」
「五光先輩…」
顔を赤くしたり青くしたりと忙しい五光が手を差しのべ、大きく開いた上着の前をかきあわせ………開いた上着?
「先輩、何で私の上着の前がいつの間にか開いているんですか?」
「………そうですか………なぜ…でしょうね」
ちらりと吉野の方を睨みながら、深く深くため息をつかれてしまった。
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