星に願いを

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抱き締めたついでに腰を撫で回すハトリの頭をはたき、明らかに普段からは考えられない言動の氷呂の額に手を当てて熱を測る。 「熱は……いやむしろ酒臭い」 「失礼な、臭くないです」 「お前…酔ってるだろう。何処に酒なんかあったんだ」 会場内をうろうろしたせいでアルコールが回りはじめたらしく、先程よりも落ち着きなくふらふらしながらハトリの腕から逃げ出そうとする氷呂を捕まえ、抱えあげる。 「いいから大人しくしてろ」 「あーっ、いいなぁ~すーちゃんボクもだっこしてぇ~」 「朱雀ー…降ろしてください…」 「ヒロちゃん。バタバタするとぱんつ見えるよぉ~」 「ハトリは覗き込むな。つか氷呂はズボンを何処にやったんだ」 ハトリだけで既にもて余し気味だったのに、手がかかりそうなのがまた一人増えた。 深く深くため息をついて、会場内を見渡して璃王の姿を探した。
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