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「ぅ…ん………い゛っ 痛゛あ゛あ゛ぁ…」
ふわふわとした夢から覚めた直後、ガンガンと痛む頭。夕べは確か右京左京と食事をして…駄目だ何も思い出せない。
「なんで…こんなに頭が…」
ぼーっと天井を見上げ暫く思考を巡らせるが、今の現状が全く理解できない。
ぬくぬくとした布団の中で起き上がろうと寝返りを打ち
「え」
ぼんやりと動きかけた思考は、完全に停止した。
目の前には目を閉じてぐっすりと眠る伊瀬の寝顔。
何故、こんな事になっているのだろうか。
胸の上に乗せられた伊瀬の腕が憎らしい。
「い、いせ…」
「んー…」
「伊瀬!起きなさい!!説明しなさい…!」
「…起きたのか…まだはええ…もうちょっと寝てろ…」
「起きたのかじゃないですよ!ちょ、抱きつくのをやめ…っい…痛ぁ……」
隣に眠る伊瀬を起こそうとするが、布団ごと抱き込まれ、身動きが取れないまま腕の中でじたじたと暴れたが頭痛が悪化し伊瀬の抱きつく腕の力が増しただけだった。
「んだよ…夕べはお前がくっついてきただろ?」
「はあ?」
「ああでも、昨日のも可愛かったけどやっぱりこっちの方がいいな」
ちゅ。と頬に柔らかい感触が触れて、楽しそうに笑う表情に毒気が抜かれてしまった。
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