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「な…な、んなんですか」
「本当にどうした?こんなに簡単に触らせて、さっきから隙だらけだぞ?」
「ふぁっ!?」
ぺたぺたと頬を撫でていた指がそのまま首筋を撫で、思わず出てしまった高い声に伊瀬の口元の笑みが深くなった。
「ぅ…さ、触るな!」
「木崎」
「な」
首を守るように両手でガードしたまま顔を上げると、唇に柔らかいものが触れたと同時にころんと何かが転がり込んでくる。
「っふ、んぅっ?!」
口移しに食べさせられたのがチョコレートだと気付いた頃には、壁に背中を押し付けられながら両手を捕まれ、伊瀬の舌ごと口内で甘い塊が溶かされていた。
「ん…っ、ふ…」
舌でチョコを押し返すと同じように押し返され、意地になってそれを繰り返す途中で小さくなったチョコレートが口の中で潰れ、中からとろりとソースが口の中に広がると、漸くこれがただのチョコレートを介したディープキスだと気付き、羞恥で一気に体温が上昇した。
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