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「ん…ゃ、いせ…や…」
チュッと小さく音を立てて肌を吸われる唇の感触にびくびくと脚が跳ね、きつくシーツを握る手を宥めるように撫でられる。
「ぅー…も…ゃあ…っ」
「逃げるな」
「んーっ!」
ずるずると後退りした体を脚を掴んで引き戻されて、再び深く口付けられ逃げようと脚をばたばたと暴れさせると、突然パッと室内の明かりが灯った。
「…伊瀬、仮眠は許可したがそっちの意味の寝るは許可した覚えはないよ
そろそろ保健室を閉める時間だ」
「…あと30分ぐらい見逃せよ」
呆れた声に視線を上げると、保健室の入り口にある電灯のスイッチに手をかけたままこちらを見る鳥居保健医が立っていた。
いつの間にか外は暗くなっていて、どのくらいここにいたのか時間の感覚が解らなくなっている。
「私は明日も君達が致そうとしたそのベッドの隣で仕事をしなくちゃいけないんだけれどね」
「すればいいだろう」
「冗談じゃないよ。ほら、まだやめられるうちに木崎から離れなさい」
「うー…?」
差し出された鳥居の手に掴まって、ふらふらする頭で上体を起こすと不思議そうに顔を覗き込まれぺたりと頬に手が当てられた。
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