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「…伊瀬、酔わせて前後不覚にしての強姦はどうかと思うぞ」
「よってないれす」
「酔ってないってよ。合意だ」
「どう見ても酔っぱらいの戯言だろ」
起き上がらせ、乱れた制服を直してくれる鳥居の顔をじっと見つめていると、わしゃわしゃと頭を撫でられた。
「お前も、もう少し気を付…」
「んー」
「おいコラ!」
近くにあった鳥居の唇をぺろりと舐めた瞬間電光石火の速さで伊瀬に引き離され、いい音を立てて後頭部を叩かれた。
「…どうした、木崎」
「甘くない…」
流石に多少の動揺が見られるものの、辛うじて平静を装う鳥居の問いに、痛そうに叩かれた場所を撫でながら首を傾げ答える。
「そうか、甘いと思ったのか。残念だったね」
「はい…」
「いいから鳥居から離れろ木崎」
「伊瀬は変なことするからやです」
「あ?」
「まあ落ち着け伊瀬」
膝の上に乗りぎゅっと抱きつき離れない氷呂の頭を撫でて、絡まった髪を指でほどいてやると猫の子のようにスリスリと甘えてくるので、そのまま抱き上げ立ち上がる。
「よしよし。このまま伊瀬と寮に帰すのも心配だからな。護衛を付けてやろう」
「鳥居先生の方がいいです」
「あ?犯すぞ」
「やめなさい伊瀬」
氷呂を片手で器用に抱き、もう片方の手で白衣のポケットから携帯電話を取り出してどこかへと電話をかけた。
「もしもし、俺だ。いますぐ保健室に来たらお前の好きそうな萌えが見られるぞ
…よかったな木崎。じきにお迎えが来るよ」
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