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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「木崎様は居たか?」
「いや…まだ寮には戻られてないみたいだが」
「木崎様にチョコ渡したかった…」
「くそっせめてこの媚薬入り手作りチョコだけでも受け取ってもらわねば…!」
「あ、居たぞ!」
「…え?」
「いやいや…確かに俺的には大変おいしくいただけたわけだけどさ、俺は見るのもかき回すのも好きだけど当事者になりたいわけではさ…」
「ましろーだっこー…」
「はいはい、落ちないようにちゃんと捕まってろよー伊瀬先輩不可抗力なんでその食い殺しそうな目で睨むのやめていただけませんか
俺だって邪魔したくはないんですけど、関わっちゃった以上はね…」
「ましろー」
「はいはい。首噛むのやめてね、美味しくないよ。伊瀬先輩怖いですってば」
「おいしくないです」
「そうだね」
バレンタインのその日、友人の眞城におんぶされ甘えまくる副会長様が、後ろにに鬼の形相の不良を引き連れ寮に運ばれるのを大勢の生徒が目撃したが、次の日に本人に確認した者が言うには
「誰かと見間違いではないですか?」
と、全く身に覚えのない無い様子だったということで、最終的には集団幻覚だという結論に落ち着いた。
その日以降、学園内で洋酒を使った菓子が一切持ち込み禁止となったのだが、前述した事件との関連は不明である。
【終】
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