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週に一度の全校集会は、学園中央にある全校生徒が収容できるホールの中で行われる。
集会とは言っても、生活指導だの体力測定の通知だのといった簡単なもので、後でプリントでも配布されるので基本的に参加は自由だ。
それでもほぼ全員が集会に集まる理由は…
「「「きゃああああ!」」」
「「「璃王様あああああ!」」」
「「「抱いてくださああああい!」」」
生徒会メンバーが一同に会する数少ない機会を逃したくないからだ。
「静かにしろ」
キィンとマイクの高い音が鳴り、凛とした声がホールに響くと一瞬で歓声が静まり返った。
「氷呂」
「はい」
璃王の言葉に氷呂が頷くと数歩前へと出、ホールの生徒たちを一瞥してから手元の原稿へと目を落とした。
「─────連絡は以上です。
それともうひとつ。最近保健室に体調不良を訴える生徒が多いようですが、風邪がはやっていますので、体調管理をおこららず…」
「ヒロちゃん?」
「てあらいうがいなろの…よぼうを…」
珍しく噛んだ副会長様に、一瞬だけホールに響いたざわめきは。
「…はれ?」
「氷呂!」
原稿を持ったままそのまま真後ろに倒れる氷呂と、璃王の叫び声の後、数秒の沈黙の後、絶叫と変わった。
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