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「顔…っ近いです…!」
璃王の肩を押して離れさせ、ゆっくりと息を吐いてどきどきと煩く鳴る心臓を落ち着かせようとするが、顔が赤くなっているのが見えない自分でもわかるぐらい、頬が熱い。
「熱が上がったらどうしてくれるんですか…!」
「だから看病しにきてやってるんだろう」
「寝てたら治ります…っから…」
「ほらみろ。水を飲みにいくだけで行きだおれてたくせに」
言葉の途中で目眩が起き、倒れそうになった体を璃王に支えられる。
璃王のせいだとは言わないが、璃王がいるせいで不要な動悸が増えているのは確かだ。
「あの、璃王…」
「よし、脱げ」
「はい。
…え?
っちょ、璃王!?」
反射的に返事はしたが、言われた意味がわからず固まっていると、璃王の手が伸びて着ていた服のボタンをプチプチと外し出した。
「待…っ」
「ん?」
「『ん?』ではなくて…っ」
ずいぶんと手慣れた動きで気付いた時にはシャツの前をはだけられていて、ひやりとした空気に汗をかいた肌がふるりと震えた。
「鳥居に看病の方法を一通り聞いてきた。
先ずは汗をかいていたら拭いて着替えさせる」
「そうならそうと言ってください…いきなり脱がされて何が起きるのかと…」
「変な期待したのか?」
「怒りますよ!?」
「ほらこっち来い、熱が上がるぞ」
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